この嘘がばれないうちに

著者 :
  • サンマーク出版 (2017年3月13日発売)
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「2017年本屋大賞」にノミネートされた『コーヒーが冷めないうちに』シリーズ第2弾。

とある街の喫茶店「フニクリフニクラ」には不思議な都市伝説があった。
その席に座ると望んだとおりの時間に戻れる。
ただし、そこには面倒くさいルールがあった。

1.過去に戻っても、この喫茶店を訪れた事のない者には会う事はできない。
2.過去に戻って、どんな努力をしても、現実は変わらない。
3.過去に戻れる席には先客がいる。
  その席に座れるのは、その先客が席を立った時だけ。
4.過去に戻っても、席を立って移動することはできない。
5.過去に戻れるのは、コーヒーをカップに注いでから、そのコーヒーが冷めてしまうまでの間だけ。

ルールはこれだけではないけれど…

『コーヒーが冷めないうちに』の7年後。
「フニクリフニクラ」を訪れたのは4人。
22年前に亡くなった親友に会いに行く男。
母親の葬儀に出られなかった男
結婚できなかった恋人に会いに行く男。
妻にプレゼントをしに行く男。

あの日に戻れたら、あなたは誰に会いに行きますか?


今、視聴している韓国ドラマで、40代の夫婦にインタビューする場面がある。
幼なじみである彼らに「30年前の18歳に戻りたいですか?」
夫は「戻りたいとは思わない。今が一番いいから」
妻は「戻りたい。会いたい人がいるから」と。
それは誰かと問われた妻の答え。
「元気だった頃の両親に会いたい」と。
ドラマ内で彼女の両親は健在だけれど、自分が18歳だった頃の両親に会いたいと…
胸に沁みた…



『コーヒーが冷めないうちに』は2018年に有村架純さん主演で映画化されている。
夫は原作を読んで面白かったと、映画も観ている。
『この嘘がばれないうちに』も夫が先に読了。
そして一言。
「本は良かったけど、有村架純の顔がちらついて…」

この気持ち、よくわかる。
私も映画やドラマなどの俳優さんたちが記憶に残っていると
その俳優さんを連想して、本が読みにくくなる。

最近では、『マスカレード・ナイト』のキムタクと長澤まさみさん。
東野圭吾さんの『マスカレード・ホテル』『マスカレード・イブ』を読んだ後
映画『マスカレード・ホテル』を観た。

昨年、映画公開前に『マスカレード・ナイト』を読んだのだが…
新田はキムタク、山岸尚美は長澤まさみさんがちらついてしまって…
映画『マスカレード・ナイト』も観たので…
ますます二人のイメージが定着してしまった。

『ガリレオシリーズ』も同じ。
湯川学は福山雅治さんのイメージが定着してしまった。
ドラマはとても面白く、楽しみに観ていたけれど…

実は、原作者である東野圭吾さんによると
湯川学は佐野史郎さんをイメージしたキャラクターだったそう。
『ガリレオシリーズ』第1作目の『探偵ガリレオ』の文庫本の解説は佐野史郎さんだった。

もし、湯川学を佐野史郎さんが演じていたら…
ちょっと想像してみたが…
だめだ、やっぱり福山雅治さんの顔しか浮かばない…


と、話がずいぶんそれてしまったが
『この嘘がばれないうちに』は、しっとり心に寄り添う良い本だった。
シリーズ第3弾も読んでみよう。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: その他・か行の作家
感想投稿日 : 2022年1月30日
読了日 : 2022年1月29日
本棚登録日 : 2022年1月29日

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