晴天の迷いクジラ (新潮文庫)

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  • 新潮社 (2014年6月27日発売)
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文字を目で追いながら、素手で皮膚の下を触られるような、突き刺すような痛みを感じた。比喩が次々と心の琴線に触れた。人生は自分の意思とは関係なく進み、わたしたちはいとも簡単に絶望に陥る。そして極限まで追い詰められた人々は自ら「死」を選ぶ。クジラだって自殺する。でも「めちゃくちゃに苦しんでんだったら、その苦しみからいち早く解放させてやればいいんだ。命を救うことよりも苦しみから解放させてやるほうが大事なんだから」と言われるクジラと「なーんにも我慢することはなか。正子ちゃんのやりたいことすればよか。正子ちゃんはそんために生まれてきたとよ」と言われる人間とじゃ随分違うなぁ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2015年5月4日
読了日 : 2015年5月4日
本棚登録日 : 2015年4月14日

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