文字を目で追いながら、素手で皮膚の下を触られるような、突き刺すような痛みを感じた。比喩が次々と心の琴線に触れた。人生は自分の意思とは関係なく進み、わたしたちはいとも簡単に絶望に陥る。そして極限まで追い詰められた人々は自ら「死」を選ぶ。クジラだって自殺する。でも「めちゃくちゃに苦しんでんだったら、その苦しみからいち早く解放させてやればいいんだ。命を救うことよりも苦しみから解放させてやるほうが大事なんだから」と言われるクジラと「なーんにも我慢することはなか。正子ちゃんのやりたいことすればよか。正子ちゃんはそんために生まれてきたとよ」と言われる人間とじゃ随分違うなぁ。
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- 感想投稿日 : 2015年5月4日
- 読了日 : 2015年5月4日
- 本棚登録日 : 2015年4月14日
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