人質カノン (文春文庫 み 17-4)

著者 :
  • 文藝春秋 (2001年9月4日発売)
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感想 : 431
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デビュー作『我らが隣人の犯罪』はわたしの初読み宮部みゆき。
その後、数々の力強い長編を面白く読んできた。
こういう短編小説もいいなあ、と改めて確認。

90年代半ばの作品なのだけど、内容は古びていない。今だってこう。

たとえば短編の一つ「過去のない手帳」

電車の中に置き忘れられていた一冊の手帳。
​拾った大学生と、紆余曲折の末見つけた持ち主の女性の、両者とも深い悩みがあった。

学生は「5月病のやるせなさ」かたや「離婚後の虚脱感」がなんとも胸を撃つ。
ひとは「しっかりせよ」というが、しっかりしていたらそうはならなかった。
つまり、自分のことがわからないのだろうね。
短編ゆえ結末はないが、答えはわかっている。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 2023年
感想投稿日 : 2023年10月7日
読了日 : 2023年10月4日
本棚登録日 : 2023年9月26日

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