あぁ、額賀さん、また一つ青春小説ベストを更新しましたね!
事故で記憶喪失になった高校生と、彼を支える同級生。
自分が記憶をなくすことで、事故の前の全てを忘れてしまうことで、失ってしまったのはいったい何だったのか。
自分が思い出せないことよりも、忘れてしまったことで傷ついている人が近くにいるという事が何よりも辛いでしょう。
ほんの半月前のことを忘れてしまった仲間をそばで見つめる二人の友。彼らが表には出さない「おもい」があまりにも大きくて重くて辛くて悲しくて、胸がぎりぎりと締め付けられる。
だけど、いや、だからこそ、このラストは何にもまして強い輝きに満ちている。
これを希望と言わずに何と言おうか。額賀さん、素晴らしすぎる。
10代の心って、固くてもろいガラスのようだけど、外から見てるとキラキラとしてきれいなんだよね。そして、簡単に割れてしまうけど、その割れたカケラさえもがキレイなんだよ。だから、悲しい。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
2016年10月
- 感想投稿日 : 2016年10月30日
- 読了日 : 2016年10月30日
- 本棚登録日 : 2016年10月30日
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