大型ショッピングセンターで起こった惨事。死者69名、負傷者116名もの被害者を出したにもかかわらず、原因は特定できず、それどころか、「あの日そこで何が起こったのか」ということさえわからない、という。
事件なのか事故なのかさえ、わからない。って、そんなことがあるのか、と、そこだけでざわざわする。
問う者、と問われる者のやり取りだけで話は進む。しかも、問う者が誰なのか、その意図も、わからない。わからない尽くしのまま話は最終章へ。もやもやが頭と胸に積もったまま小説は終わる。
たまたま偶然が重なって、そこにいた人々の中にあったそれぞれの「恐怖」に火が付いたのか、あるいはなにか大きな力による陰謀なのか、あるいは、テロなのか。
あの日起こったことはあの日で終わっていない。そこから始まった物語の中でそれぞれの人生は続いている。あの惨事によって変わった何かのそばで。
読書状況:読み終わった
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2020年11月
- 感想投稿日 : 2020年11月26日
- 読了日 : 2020年11月26日
- 本棚登録日 : 2020年11月26日
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