このシリーズの面白さは、
タイトルに刑事であるマルティン・ベックの名を冠しているのに、
必ずしもマルティン・ベックを中心に
描かれていないというところにあるのではないでしょうか。
物語が進行する中で、
登場する人物一人ひとりにスポットがあたる工夫がなされています。
また仲間の刑事たちがみな、
特別な才能があるわけでもない普通の男たちというのも
読者をひきつける魅力の一つです。
冴えわたった推理によって事件が解決されるのではなく、
靴底をすり減らす地道な捜査の積み重ねと、
時折垣間見られる刑事たちの私生活、
彼らの性格が個々にきちんと描かれているのも、
物語にリアリティをもたせる大きな要因ですね。
派手なアクションもどんでん返しもありませんが、
最後まで読む者をひきつける魅力があります。
べそかきアルルカンの詩的日常
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べそかきアルルカンの“スケッチブックを小脇に抱え”
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べそかきアルルカンの“銀幕の向こうがわ”
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読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
海外文学
- 感想投稿日 : 2021年12月14日
- 読了日 : 2021年12月14日
- 本棚登録日 : 2021年12月14日
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