日本の生活に疲れNYで独り暮らしをするマヤは、新聞広告を通じて地下鉄の車掌をする黒人グレゴリーと知り合います。ふたりはともに恋多き大人の男と女。友達もいてもいて、それなりに楽しい日々を送っているはずでした。けれど、そんなふたりの胸には、ぽっかり風穴が開いていたのです。孤独、喪失、倦怠、惰性、不安・・・流されるように生きてきたふたりが惹かれあったのは、心に同じような傷を負っていたから?電話の声だけしか知らなかったマヤとグレゴリーは、束の間の休暇を利用して、カリブのトリニダッド・ドバコ島で会うことを約束します。運よく出逢えればOK、会えなければそれまで。。。。。アフリカ系アメリカ人の男と、遠く母国を離れて異国の地で暮らす日本人女性。カリブの海と素朴な人々の島の生活。耳に心地よいカリビアン音楽。異国情緒とカーニバルの熱気。非日常的な空間で、真摯に向き合ったふたりの恋の行方は・・・・・。
ちなみに、?パン?というのはスティールドラムのこと、?緋の舞う〜?とは真紅の羽をもつスカーレット・アイビスというトリニダードの国鳥のことを指しています。色彩、音、香り、肌触り等など、五感を刺激される小説でした。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
日本文学
- 感想投稿日 : 2009年8月25日
- 読了日 : -
- 本棚登録日 : 2009年8月25日
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