旅する絵描き: パリからの手紙

著者 :
  • 平凡社 (2007年6月1日発売)
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本棚登録 : 158
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〝どこにも属さない〟ために旅を続ける若い画家が、パリの裏通りの何の変哲もない一つの窓に魅せられ、しばらくの間アパルトマン暮らしをはじめ、その日常を綴ったお話です。窓は本の製本を生業とするおじいさんの工房のものでした。
物語は画家である〝ぼく〟から友人Yへの手紙という形式をとっています。手紙に添えられた水彩スケッチは、パリでの日常を淡々と綴った詩のように美しい文章にぴったりでした。
同じ場所で何十年も古書と向き合う老人、前足を失った三本足の野良犬、スケッチブックを抱え、あてのない旅を続ける若い画家・・・簡潔な文章に人生の機微が垣間見えました。

べそかきアルルカンの詩的日常  http://blog.goo.ne.jp/b-arlequin/
べそかきアルルカンの“銀幕の向こうがわ” http://booklog.jp/users/besokaki-arlequin2

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 日本文学
感想投稿日 : 2014年9月27日
読了日 : 2014年9月27日
本棚登録日 : 2014年9月27日

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