風の歌を聴け (講談社文庫 む 6-1)

著者 :
  • 講談社 (1982年7月1日発売)
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本棚登録 : 3692
感想 : 440
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たぶん20年ぶりくらいに再読。主人公のもってまわったコミュニケーションスタイルがいちいち鼻につくのでびっくりした。こんなに面倒くさいやつだったとは! それに、帰省中の大学生が同性の友達と二人でホテルのプールで泳いでそのあとバーで飲むとか、60年代にはありえたんだろうか? べつにリアリズム小説じゃないんだろうけど、今になるといろいろ気になるものだ。

とはいえ、かつては彼の暮らしがかっこよく思えたのだ。いきつけのバーがあって、そこに行くと友達がいるとか。余計なことはしゃべらず、女の子をじりじりさせ、なぜか寄ってこられるとか。ないない。だいたい大学生に店でがぶがぶビール飲む余裕はないだろう。

と、いちいち「ないわー、ないわー」とびっくりしていたのであまり小説を味わった感じがない。指が欠けている女の子が彼の世界に訪れまたすぐ消えたこと、それは思い出すに値するけれど、でもそれを消化できなくて眉根にしわを寄せてる30歳というのもいいかげんにしろ、という気が。もうちょっと今を生きてほしい、というか眉根にしわを寄せていたいのならどうぞ、というか。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 日本 - 小説/物語
感想投稿日 : 2016年10月20日
読了日 : 2016年10月20日
本棚登録日 : 2016年10月20日

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