たぶん20年ぶりくらいに再読。主人公のもってまわったコミュニケーションスタイルがいちいち鼻につくのでびっくりした。こんなに面倒くさいやつだったとは! それに、帰省中の大学生が同性の友達と二人でホテルのプールで泳いでそのあとバーで飲むとか、60年代にはありえたんだろうか? べつにリアリズム小説じゃないんだろうけど、今になるといろいろ気になるものだ。
とはいえ、かつては彼の暮らしがかっこよく思えたのだ。いきつけのバーがあって、そこに行くと友達がいるとか。余計なことはしゃべらず、女の子をじりじりさせ、なぜか寄ってこられるとか。ないない。だいたい大学生に店でがぶがぶビール飲む余裕はないだろう。
と、いちいち「ないわー、ないわー」とびっくりしていたのであまり小説を味わった感じがない。指が欠けている女の子が彼の世界に訪れまたすぐ消えたこと、それは思い出すに値するけれど、でもそれを消化できなくて眉根にしわを寄せてる30歳というのもいいかげんにしろ、という気が。もうちょっと今を生きてほしい、というか眉根にしわを寄せていたいのならどうぞ、というか。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
日本 - 小説/物語
- 感想投稿日 : 2016年10月20日
- 読了日 : 2016年10月20日
- 本棚登録日 : 2016年10月20日
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