北欧の旅 (ちくま文庫 ち 8-4 カレル・チャペック旅行記コレクション)

  • 筑摩書房 (2009年1月7日発売)
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本棚登録 : 383
感想 : 18
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デンマーク、スウェーデン、ノルウェーと、およそ75年前の北欧をめぐる旅の記。荒涼としたしかし力強い(人間を含めた)自然の美が、シンプルで丁寧なイラストを添えて記されている。

旅行記といっても、見聞きした物事のみにとどまらないところがチャペックならでは。特に、白夜の世界を時間の観念が失われる領域として描く章に、叙事詩のような幻想性がありとてもよかった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: その他のスラヴ文学
感想投稿日 : 2012年7月30日
読了日 : 2012年7月22日
本棚登録日 : 2012年7月30日

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コメント 4件

猫丸(nyancomaru)さんのコメント
2012/09/07

「白夜の世界を時間の観念が失われる領域として」
チャペックの独壇場ですね。
「旅行記コレクション」が3冊から5冊に増えて、チャペックの旅行記がほぼ読めるようになったのは嬉しい限りですが、中でも「イギリスだより」に収められた「あいさつ」は必読です。

なつめさんのコメント
2012/09/07

nyancomaruさん
『イギリスだより』も面白そうですね。さっそく読みたい本リストに入れました

猫丸(nyancomaru)さんのコメント
2012/09/10

ご存知かと思いますが、チャペックはエッセイから童話、SF、哲学的小説と多岐に渡った執筆をされています。どれも素晴しいので、是非色々お読みください。

なつめさんのコメント
2012/09/11

nyancomaruさん
はい。チャペックを読んだのは、痛くなった歯を抜く村の人の話だか随筆だかを大昔に読んで以来でした。

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