嗤う伊右衛門 (中公文庫 き 31-1)

著者 :
  • 中央公論新社 (2004年6月1日発売)
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本棚登録 : 1759
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第25回泉鏡花文学賞受賞作品。
四谷怪談のお岩と伊右衛門だと思って読んでいたら、予想外の展開、予想外の登場人物設定に非常に引き込まれました。ところどころ涙する場面もあり、最後は涙が頬を流れて本を閉じるという形になりました。お岩と伊右衛門の間の愛情は非常に深かったです。

お岩という女性を通して、当時の女性というものがどういう立場なのか、妻とはどういう立場のものなのかということがよくわかりました。

生きている間に出会うたくさんの人の中に、自分を大切に思ってくれる人がいる。しかし、素直にその気持ちを伝えられなかったり、受け入れられなかったり…。出会いが生む切なさから「愛」という感情を知るのかもしれません。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 泉鏡花文学賞
感想投稿日 : 2016年1月28日
読了日 : 2016年1月27日
本棚登録日 : 2015年7月5日

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