天使の梯子 Angel's Ladder

著者 :
  • 集英社 (2004年10月26日発売)
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本棚登録 : 1985
感想 : 337
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『天使の卵』がすごく面白かったため、今回続編の『天使の梯子』を読んでみました。

まず、読み進めているうちに、著者の村山由佳さんはコミュニケーション能力が高いと思いました。会話シーンを書くのが上手で、特に、くすっと笑えるようなユーモラスなシーンが印象的でした。
そして、登場人物の心情の変化や人間関係の変化を表現するのも上手でした。
例えば主人公と夏姫がお互い良好な関係を築けているときには、2人とも「これから裏切られるのではないか」という不安や、元教え子と恋人関係になってしまっている後ろめたさを感じず、「今必要としている人」と考え、後先のことを考えず充実した今を過ごせていることがわかります。
しかし、おばあちゃんとの別れや、夏姫に対する疑心暗鬼が膨らんでいくシーンは、読んでいて心が痛くなりました。
そんな主人公の心情の変化に、読んでいる自分の気持ちも感化される作品だったので、読んでいてとても充実感がありました。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2021年5月21日
読了日 : 2021年5月21日
本棚登録日 : 2021年5月21日

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