長いし、暗い、、
評価1.9
audible 21時間58分
事件の起こった高層マンションの紹介から始まる。もちろん事件の詳細も述べられるのではあるが、これが長い。エレベーターの仕組みから、セキュリティまである意味宮部みゆきらしく暗い雰囲気で説明されていく。細部が重要なとこは分かるが、事件の詳細を知る前にちょっと飽きてくる。
やっと分かったことはどこの誰だか分からない4人の死体。しかも一人は転落してる。これがスタート。
話はスタートしたがスムーズにはすすまない。次は事件の起こった部屋の持ち主である小糸家の話。これも相変わらずの暗い話で、このトーンで続くのかと思うと小説の行く末が心配になる。
こんな感じで事件を振り返りながら情報が少しづつまとめられていく。次第に全体像がつかめてくるのではあるが、ついでに述べられる周辺一家の家族背景が重々しくて嫌になる。特に覗き見したくもない姉弟関係、嫁姑問題、若くして子をつくった出戻り娘、親子喧嘩から悪徳不動産を掴まされる父親などの家族問題を知ることと引き換えに事件の情報が少しづつ得られる。皮肉な言い方をすれば、こういうのが作者の得意技のようにも思われる。作者のファンには怒られそうだが、暗い話を我慢するたびに新しい情報を一つ知ることができるシステムに辟易とする。もちろん、この作風が社会派小説としても評価が高いことは分かっているし、こっちが少数派のことも分かる。ただお気軽に楽しく読める本をこよなく愛する僕には苦痛でしかない。もっとお気軽に読みたい、、
最後までこの雰囲気は変わらず、特に驚きもなく終幕を迎える。いろいろな人に怒られそうだが、一応総括しておくと、暗くて長い話と向き合う非常に苦痛な時間であった。このような小説を評価するような文学的な才能は残念ながら僕にはない。
- 感想投稿日 : 2024年3月16日
- 読了日 : 2024年3月16日
- 本棚登録日 : 2024年3月16日
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