帯に書かれた「結末は決して他人には語らないでください」。
密室トリックもそれなりに楽しめたし面白かったけれど、この結末はまったく予想できなかった。
でも、シリーズをまったく読んだことがない人にとってはそれほど衝撃的ではないかも・・・。
「S&M」シリーズだが、実は他の「S&M」シリーズを読んでいない。
やはりシリーズをある程度読んでからのほうが数倍楽しめるような気がする。
仮定しては否定されていく、その過程で出てきた推理がなかなか面白かった。
推理とは可能性をひとつずつ潰していく方法と、結果にたどり着くまでの過程を推し量っていくものがあるのだろう。
この物語は可能性を潰していく手法をとっている。
(それまで10で満足していたとしても)「なるほど、100のものに出会えば、10のものもマイナスに見えるということか」
本筋とはまったく関係のない箇所だったけれど、妙に納得してしまった一文だった。
何の不満もなかったはずなのに、比較対象が現れた途端、やけに今までのものが色褪せて見える。そんな瞬間が確かにある。
人の気持ちは移ろいやすい。というよりも、実は自分にとって大切だと<思い込んでいた>錯覚もあるように思う。
本当に大切なものには早々簡単にはたどり着けないのかもしれない。
最後の最後に明かされる事実。
それは想像もしなかったなぁと、ちょっと驚かされてしまった。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
ミステリー
- 感想投稿日 : 2017年2月26日
- 読了日 : 2017年2月26日
- 本棚登録日 : 2017年2月26日
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