数ある東野作品の中でも好きな作品のトップクラスにくる物語だ。
拓実には余命いくばくもない息子がいる。
残された時間はもうわずかだ。
そんなとき、拓実は妻に二十数年前に出会った少年の話をはじめる。
若い頃の拓実は投げやりな人生を送っていた。
そんな拓実の元にトキオは現れた。
やる気のない拓実をときに叱り、ときに励まし、消えた千鶴の行方をふたりで捜しはじめる。
どんなストーリーなのか?
骨組みだけを説明するなら3行で済んでしまいそうな、どこにでもあるような、誰にでも思いつくようなストーリーである。
でもそこに、東野圭吾という作家の手が加わったとき、ありきたりなストーリーは感動的な切ない物語へと変貌する。
拓実とトキオ、ふたりの場面が楽しい。
まさに生きている!!と実感させるトキオの行動力や真剣さが、後々になって切なさを倍増させる。
読んでいて本当に面白い。
面白いのに、最後の最後に感動が押し寄せてくる。
やっぱり東野圭吾はすごい…とあらためて実感させられる物語だと思う。
多くの人に読んでほしい。
そして、最後まで大切に物語の世界に浸かりきってほしい。
きっと何にか得るものが必ずあるはずだから。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
一般小説
- 感想投稿日 : 2017年3月6日
- 読了日 : 2017年3月6日
- 本棚登録日 : 2017年3月6日
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