トリツカレ男 (新潮文庫)

  • 新潮社 (2006年3月28日発売)
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感想 : 907
4

再読了。

以前読んだのはいつだったっけ…


前回読んだときもトリツカレ男、
ジュゼッペの世界に
引き込まれながら読んだものの
今回は感じる度合いが比じゃなかった。

相手のために自分を犠牲にする、
そう思われるジュゼッペ。
でもそれは違う。
相手のためとかじゃない。
「ただただ相手を想っている」愛、それだけ。
そんなジュゼッペの気持ちもよーくわかる。

無口な少女のペチカに恋をして、
夢中になるジュゼッペ。
いつも寄り添い、いろんな話をしていくうちに
彼女の笑顔の奥にあるかげりや不安に気づき、
なんとかしようと今度は全力で守りにいく。

あれからいろんな経験をして、
辛さ、苦しさ、悔しさ、
寂しさ、そして愛おしさを細胞1つ1つでめいいっぱい感じてきた今だからこそ、深く入ってきたのだと思う。
何かに夢中になりそれだけになるジュゼッペの
まっすぐすぎる思いに一言で言うなら
やられてしまった。

ジュゼッペがつぶやく声は
か細いかもしれないけど、
誠実さと愛に溢れているその言葉たちは
細胞レベルまでじんわり、でも深く確かに沁み渡った。

ジュゼッペが可愛すぎる。
ペチカもまた可愛いすぎる。

あたしもそのタイプだけど、本も映画も
恋愛ものはあまり好まないという人には
特におすすめしたい。

そして、大切だけど寂しかった恋をした人にも
読んでほしい。



読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説(恋愛)
感想投稿日 : 2019年8月22日
読了日 : 2019年8月21日
本棚登録日 : 2018年9月13日

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