ぬけまいる (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社 (2014年12月12日発売)
3.67
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本棚登録 : 742
感想 : 71
3

全1巻。
三十路前の女三人が急に伊勢参りに旅立つ話。
直木賞作家・朝井まかて版、東海道中膝栗毛。

いや面白い。
江戸→伊勢までの道すがら、
数々の事件に巻き込まれていく、
痛快(元)ずっこけ三人組。

主人公達の設定が秀逸。
女の曲がり角、
青春の終わりを自覚しだす三十路前の女三人。
それなりに背負った人生の哀しみと
センチメンタリズムが、
物語を単純な痛快コメディじゃなくしている。
妙にリアルに胸に沁みる。

惜しむらくはクライマックスのアッサリ感。
他作品でもそうだったけど、
最期に全部の謎が集約して盛り上がるんじゃなくて
駆け足で消化してる感がちょっとある。
結果、女達のそれぞれの哀しみ、
そして哀しみと改めて向き合うこれからについての
掘り下げが浅くなり、
キャラがイマイチ確立しないままで終わっちゃった。
おしいなあ。

でも、
クライマックスに用意されてた驚きは
著者っぽくて好きだった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 時代小説
感想投稿日 : 2015年5月25日
読了日 : 2015年5月25日
本棚登録日 : 2015年5月25日

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