霖雨(りんう) (PHP文芸文庫)

著者 :
  • PHP研究所 (2014年11月10日発売)
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本棚登録 : 333
感想 : 23
3

全1巻。
九州の儒学者、広瀬淡窓の物語。

ああ。
ぽい。
今作を読む前に「冬姫」を読んだけど、
あっちは全然だった。
こっちはらしい。

大きなメリハリがある訳じゃないけど、
まさに表題の通り、
しっとり、じわじわ染みてくるような話。
生きていくことの哀しさが底に漂い続ける
藤沢周平っぽい葉室凛。
ちょい役だと思ってたやつが重要なキーマンだったり、
大塩平八郎と対比するアクセントだったりと、
構成もよくできてるなあと思った。
まあ、地味だけど。

自分はみちのく出身なので、
藤沢先生の暗く湿った感じは理解できるんだけど、
カラッと眩しい九州の人間が、
どうして藤沢先生と同じようなニオイをさせているのか、
改めて不思議に思った。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 歴史小説
感想投稿日 : 2014年11月26日
読了日 : 2014年11月26日
本棚登録日 : 2014年11月26日

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