全一巻。
戊辰戦争で活躍した医師、関寛斎。
の、妻の生涯。
浅学にして関寛斎という人物を知らなかったんだけど、
すごいな。この人。
波瀾万丈すぎ。
物語はその関寛斎を支えた妻の視点で進む。
著者のヒット作「みをつくし料理帖」と同じく、
これでもかってくらい運命に翻弄される主人公像。
ただ、主人公が朗らかでポジティブな人格のため、
「みをつくし料理帖」みたいにジメジメしてない。
困難を困難と思わず前向きで、
あたたかい愛が深すぎて泣けてくる感じ。
すごく良いんだけど、
中盤以降、関寛斎の史実を追う段になって、
全体的に駆け足になってしまったのが残念。
関寛斎の活躍にページを割くことで
主人公が弱くなるのを懸念したのかもしれないが、
だったら「○○年後」みたいに
大きくジャンプしちゃえば良かったのに。
小刻みに何度も飛ばすから、
ただの早送りになっちゃってるのがもったいない。
まあ、良い話なのは間違いない。
自分も前をむいて生きようと思わせてくれるし、
関寛斎記念館とか行ってみたいと思ったし。
だけにちょっともったいない。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
歴史小説
- 感想投稿日 : 2015年3月13日
- 読了日 : 2015年3月13日
- 本棚登録日 : 2015年3月13日
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