あい: 永遠に在り (ハルキ文庫 た 19-13 時代小説文庫)

著者 :
  • 角川春樹事務所 (2015年2月14日発売)
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本棚登録 : 1171
感想 : 117
3

全一巻。
戊辰戦争で活躍した医師、関寛斎。
の、妻の生涯。

浅学にして関寛斎という人物を知らなかったんだけど、
すごいな。この人。
波瀾万丈すぎ。
物語はその関寛斎を支えた妻の視点で進む。

著者のヒット作「みをつくし料理帖」と同じく、
これでもかってくらい運命に翻弄される主人公像。
ただ、主人公が朗らかでポジティブな人格のため、
「みをつくし料理帖」みたいにジメジメしてない。
困難を困難と思わず前向きで、
あたたかい愛が深すぎて泣けてくる感じ。

すごく良いんだけど、
中盤以降、関寛斎の史実を追う段になって、
全体的に駆け足になってしまったのが残念。
関寛斎の活躍にページを割くことで
主人公が弱くなるのを懸念したのかもしれないが、
だったら「○○年後」みたいに
大きくジャンプしちゃえば良かったのに。
小刻みに何度も飛ばすから、
ただの早送りになっちゃってるのがもったいない。

まあ、良い話なのは間違いない。
自分も前をむいて生きようと思わせてくれるし、
関寛斎記念館とか行ってみたいと思ったし。
だけにちょっともったいない。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 歴史小説
感想投稿日 : 2015年3月13日
読了日 : 2015年3月13日
本棚登録日 : 2015年3月13日

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