久々のB.ドハティです。期待通りの作品でした。イギリスに母さんと暮らすローザとタンザニアで暮らすアベラという二人の少女の話が交互に進んでいきます。アベラのおかれた境遇は今アフリカで問題になっていることをなぞるような過酷なものですが、それでも彼女はタンザニアでの暮しを愛しています。一方ローザは養子を迎えたいという母さんの気持ちに自分という娘ではだめなのかとひどく戸惑います。最初はローザのその戸惑いに読み手も戸惑いますが、読むにつれて理由が明らかにされます。人種の違う家庭の養子になり、後々自分のアイデンティティに苦しんだという人の話を海外のニュースで見たことを思い出しましたが、それに通じるものを感じました。
アベラの話はつらく、涙なしには読めませんが、多くの、特に若い人に読んで知ってほしい内容です。家族とは?支えあうとは?と考えさせられます。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
外国の児童書・YA
- 感想投稿日 : 2011年7月4日
- 読了日 : 2010年3月23日
- 本棚登録日 : 2011年7月4日
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