面白かったです。日本近代文学を代表する3人の女性たちと、著者自身のシベリア鉄道の旅が鉄道の進行と共に進んでいきます。三人の旅行の、それぞれの経緯や時代背景、各地の風景今昔、著者が出会った人々との交歓…と盛りだくさんです。1冊なのに何冊分か読んだような気がします。
与謝野晶子にはふてぶてしいイメージを持っていたのですが、この旅においてはとても不安げな様子が可哀想に思えてきました。現代でもすんなりといかない(と思われる)ロシアの旅行へ、当時の女性たちがよくも果敢に出かけたものだなあと思います。
著者の旅では、具体的な列車での旅模様が面白いです。列車の旅っていいなあ。旅情をかきたてられます。各地に残るソヴィエト時代の名残り、シベリア抑留者、ロマノフ一家、レーニンやスターリン…等々のエピソードも興味深いです。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
日本のノンフィクション
- 感想投稿日 : 2011年7月12日
- 読了日 : 2010年10月12日
- 本棚登録日 : 2011年7月12日
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