中国行きのスロウ・ボ-ト (中公文庫 む 4-3)

著者 :
  • 中央公論新社 (1997年4月18日発売)
3.51
  • (273)
  • (425)
  • (950)
  • (67)
  • (10)
本棚登録 : 4746
感想 : 415

なんとも独特な世界観の短編集。
前半4編は哲学的で、例えも突飛で正直とっつきにくかったです。一方後半3編は慣れてきたせいか、現に表現がストレートになったのか、読みやすさを感じました。
「午後の最後の芝生」と「土の中の彼女の小さな犬」は物語に色彩があり、気持ちよく読めました。
「カンガルー通信」は拒絶反応が出そうでした。。。百貨店社員がクレームに対する返事をカセットテープに録音して送るとはなかなかすんなり受け入れられません。村上春樹の世界と割り切って、怖いもの見たさに読み切った感じでした。
総じてどのストーリーも非現実的で、淡々と語られていて、時には「僕」がツッコミを入れたりとクセになる短編集でした。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2022年6月13日
読了日 : 2022年11月8日
本棚登録日 : 2022年6月7日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする