イジメにより中学二年生で自殺したフジシュン。
遺書に「親友」として名前のあがった主人公やその家族が、罪の十字架を背負い生きていく様を描いた作品。
テーマが重く、読み進めるのが苦しかった。それでも、最後まで読まなければいけないと思った。
いじめた側・いじめられた側ではなく、その周りにいて何もしなかった傍観者に焦点をあてた本作。
守ることだけが大人の役目ではない。分かるけど、主人公たちが背負わされた十字架はあまりにも重すぎた。
いじめの傍観者の罪深さが、主人公が背負う十字架の重さとともに描かれているけれど、これだけ主人公が苦しむのならば、正義感を振りかざして生徒を学校に閉じ込めておきながら、いじめに気付かない教師や、いじめの加害者となった生徒らの罪はもっと大きいのではないか?
苦しい長編だったけど、読み終えるときにはほんの少しだけ息が楽になった。そんな終わり方でした。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2023年11月27日
- 読了日 : 2023年11月26日
- 本棚登録日 : 2023年11月26日
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