文庫版 姑獲鳥の夏 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社 (1998年9月14日発売)
3.86
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本棚登録 : 16588
感想 : 1769
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「姑獲鳥の夏」京極夏彦さんデビュー作。瑞々しくないタイプの新人さんでしたね。最近、メフィスト賞作品って、面白いのでは、と今更気が付いていました。そして、京極さんの持込がこの賞の創設のきっかけだとのこと。知りませんでした。土瓶さんごめんなさい。甘くみてました。

百鬼夜行シリーズは、長丁場になりそうなので、覚書。
⚪︎中禅寺秋彦 
 古本屋「京極堂」店主 「武蔵晴明神社」宮司
 ⚪︎妻 千鶴子 和菓子屋娘 
⚪︎関口巽
 小説家 中禅寺友人 対人恐怖症 鬱
 ⚪︎妻 雪絵 
⚪︎榎木津礼二郎
 「薔薇十字探偵社」探偵 中禅寺と関口の先輩
⚪︎木場修太郎 
 東京警視庁 刑事 榎木津幼馴染 関口同部隊
このあたりの方々が、ずーっとご登場かと思います。

物語の根底には、日本の妖怪談があります。しかし、それに惑わされて愉しまれるのは当然ですが、緻密な科学的な(多少無理はあると思っている)ミステリーに仕上がっています。
冒頭で100ページあまりの京極堂こと中禅寺の多岐に渡る蘊蓄を読破してからでないと、今回の本題に入っていけません。しかも、そこが作品の根幹をなしそうなので、読み飛ばすわけにもいきませんがません。結局「この世には、不思議なことなど何もないのだよ。」というところです。

中禅寺は陰陽師でもある、という設定は魅力的ですね。私も陰陽師は気になっている一人ですから。
土御門家の天文観察の展示会で、家の掟や職札の展示もあり、江戸時代まではかなり陰陽道それぞれの流派でも秘密が多かった様子。夏彦さんは、どのくらい研究なさっているか楽しみです。

先は長い。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説 
感想投稿日 : 2023年7月4日
読了日 : 2023年7月4日
本棚登録日 : 2023年7月2日

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コメント 13件

みんみんさんのコメント
2023/07/04

だんだん重くなるので注意です笑
榎木津推し‹‹\(´ω` )/››

おびのりさんのコメント
2023/07/04

この作品、高校生男子達、ほんとに読んだのかな。パロディとかリスペクト多いでしょ?全体を把握するのって、大変な小説だと思うのよね。情報量も多いし。重いし(笑)
まあ、地道に読みます。次の魍魎は面白そう。

みんみんさんのコメント
2023/07/04

匣だ!グロくて面白い!

土瓶さんのコメント
2023/07/04

ほう。メフィスト賞のきっかけ。それは知りませんでした。
本職(デザイナー?)があまりにヒマだったので仕事しながら片手間に書いてみて、完成したのはいいけどどうしたらいいのかわからないで、とりあえず持ち込んでみた。っていうのは聞いたことがあります。
恐ろしいですよね。あれを片手間で書く!?

メフィスト賞おもしろいですよね。おもしろければなんでもいいという基準が良い。
読んだことあるのは……
「すべてがFになる」
「ハサミ男」
「煙か土か食い物」
「冷たい校舎の時は止まる」
「図書館の魔女」
くらいしかないですね。ぜひコンプリートお願いします。

百鬼夜行シリーズは中禅寺の妹の敦子もぜひ覚えておくといいですよ。
レギュラーですし、最新の今昔百鬼拾遺シリーズでは敦子が探偵役を務めています。主役です。ワトソン役は「絡新婦の理」で出た女子学生だったかな。
このシリーズ。なんとも珍しく3つの出版社から1話ずつでる、という奇妙な形態でした。
「鬼」講談社
「河童」角川
「天狗」新潮
と、それぞれ文庫で出たのですが、なんとその後に「今昔百鬼拾遺 月」としてまとめられました。講談社です。
最初から知ってたらノベルズでまとまってから買ったのに……_| ̄|○
なので、買うか借りるときはバラバラに求めず「今昔百鬼拾遺 月」を探す方がよろしいでしょう。

あと、後でちょくちょく出てくるメンバーは青木と木下くらいかな?
久遠寺医院のじーさんは「鉄鼠の檻」で活躍?しますが。
鳥口は、まだ出てないかな? 里村は、覚えなくてもいいかな。
そんなところで。
次作「魍魎の匣」
「みっしり」と楽しんでください^^

おびのりさんのコメント
2023/07/04

長い目で見てください。
たぶん、どんどん本棚のはるか下の方にいってしまうけど。
でも読むんなら並べたいよね!

傍らに珈琲を。さんのコメント
2023/07/06

おびのりさん、こんばんは☆ミ

京極堂シリーズ大好きで、思わずコメントです!
ただ読み終えたのがブクログを始めるだいぶ前なので、レビュー挙げられてないのですが。
今は上下巻に分けた文庫も発売されていますが、私が手にした当時は分かれていませんでした。
特に「絡新婦の理」など、片手は電車の吊り革、もう片方は文庫と、
手をプルプルさせながら、それでも読むのを止められずに没頭しておりました。

情報量も多いですよね。
京極堂へ向かう道程にも文字数たっぷりなので中々進まないし 笑

京極先生の作品は「どすこい」等は苦手でしたが、「ルー=ガルー」も大好きです♪

おびのりさんのコメント
2023/07/07

傍らに珈琲さん、こんにちは。コメントありがとうございます。
いよいよ京極夏彦さん、百鬼夜行に手をつけてしまいました。みっちり読みます。
そして、重!
手が小さいので、外出時は諦めました。
やっぱり、学生のさんの頃から読みました?土瓶さんもそうかしらね。
なかなかの質量で、これを面白いってわかる若者ってすごいって思います。それ以上に夏彦さんが、いろんな事に造詣が深くて、小説くらい書けてしまうったんだろうなあと思ってます。
京極堂はゆっくり読みます♪

土瓶さんのコメント
2023/07/07

傍らに珈琲を。さん。こんばんは~^^

「絡新婦の理」を電車で読むのはキツイでしょうね。
シリーズの中では「絡新婦の理」が一番好きです。

「どすこい」は……出オチというか(笑)、あれは目次を読んで楽しむという稀有な本でした♪

これからもおびのりさんにどんどん京極夏彦を勧めてくださいませ。

あ、それから、私はブグログ始める前に読んだ本も平気であげています。
「よくおぼえてない」を連呼してますが( ´∀` )

土瓶さんのコメント
2023/07/07

そういえば、珍しくおびのりさんのレビューがここ二日ほど滞っていますな。
普段皆勤賞だった人がいないと少し心配。
まあ、毎日レビューしなくてはならないって法はないんだけど。
無事?

おびのりさんのコメント
2023/07/07

土瓶さんって、優しいよね。
二、三日、非公開。

土瓶さんのコメント
2023/07/07

あいよ。
無事なら良し。

傍らに珈琲を。さんのコメント
2023/07/07

おびのりさん、こんばんは!
お返事有難う御座います♪
そして土瓶さん、こんばんは!
お声掛け有難う御座います♪

私が京極堂にハマったのは20代、社会人に成り立ての頃だったでしょうか…。
朝の通勤時は日経新聞、帰りは京極堂、そんな日々でした。
重っ!と重いながらも、あの分厚さでさえ演出のうちなのだろうと、重みが嬉しかったのを記憶しています。
おびのりさん、どうぞゆっくりじっくり浸って下さいませ♪

そう言えば、京極先生の新しいシリーズが始まっていたのですね。
書楼弔堂。
すっかりノーマークだったので、もう文庫化もされていて。
あぁ、また自宅の積ん読山の標高が高くなる 汗
あちこちで同じ事を言っているのですが、読みたい気持ちに読了スピードが追い付かないので困ったものです。

土瓶さん。
「どすこい」は出オチとのお言葉に笑ってしまいました。
そうですね、まさにそのような感じです。
それでも当時は、「どすこい」の面白味が分からないなんて、
私もまだまだなのかしら?等と思ってみたりしたものです。
そして、私が辛うじてただ1つ挙げた「姑獲鳥の夏」のレビューを見付けて"いいね"を下さって、有難う御座います!
それから、フォローさせて頂いても宜しいでしょうか?(というか、しちゃいますが。)
今後とも宜しくお願いします♪

土瓶さんのコメント
2023/07/08

傍らに珈琲を。さん。おはようです^⁠_⁠^
ありがたくフォロー返しさせていただきます。
今後ともよろしくしてください\⁠(⁠^⁠o⁠^⁠)⁠/

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