「姑獲鳥の夏」京極夏彦さんデビュー作。瑞々しくないタイプの新人さんでしたね。最近、メフィスト賞作品って、面白いのでは、と今更気が付いていました。そして、京極さんの持込がこの賞の創設のきっかけだとのこと。知りませんでした。土瓶さんごめんなさい。甘くみてました。
百鬼夜行シリーズは、長丁場になりそうなので、覚書。
⚪︎中禅寺秋彦
古本屋「京極堂」店主 「武蔵晴明神社」宮司
⚪︎妻 千鶴子 和菓子屋娘
⚪︎関口巽
小説家 中禅寺友人 対人恐怖症 鬱
⚪︎妻 雪絵
⚪︎榎木津礼二郎
「薔薇十字探偵社」探偵 中禅寺と関口の先輩
⚪︎木場修太郎
東京警視庁 刑事 榎木津幼馴染 関口同部隊
このあたりの方々が、ずーっとご登場かと思います。
物語の根底には、日本の妖怪談があります。しかし、それに惑わされて愉しまれるのは当然ですが、緻密な科学的な(多少無理はあると思っている)ミステリーに仕上がっています。
冒頭で100ページあまりの京極堂こと中禅寺の多岐に渡る蘊蓄を読破してからでないと、今回の本題に入っていけません。しかも、そこが作品の根幹をなしそうなので、読み飛ばすわけにもいきませんがません。結局「この世には、不思議なことなど何もないのだよ。」というところです。
中禅寺は陰陽師でもある、という設定は魅力的ですね。私も陰陽師は気になっている一人ですから。
土御門家の天文観察の展示会で、家の掟や職札の展示もあり、江戸時代まではかなり陰陽道それぞれの流派でも秘密が多かった様子。夏彦さんは、どのくらい研究なさっているか楽しみです。
先は長い。
- 感想投稿日 : 2023年7月4日
- 読了日 : 2023年7月4日
- 本棚登録日 : 2023年7月2日
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