家族八景 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (1975年3月3日発売)
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本棚登録 : 5786
感想 : 640
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18歳の火田七瀬は、テレパスと言われる目の前の人の心を読み取る超能力を持っている。彼女は、その能力を隠して、各家庭に住み込みのお手伝いさんとして、生活を始める。
当時の中流家庭八軒、八家族の、八景。
もう50年前の、SF小説。久しぶりに読んだら、記憶よりも、大人のドラマだった。NHK少年ドラマシリーズで扱われていた印象があったので、子供向け作品のイメージとなっていた。
七瀬を巻き込んで、怪しげな、多少猥雑な心理戦が、日々繰り広げられる。七瀬の目線での、夫婦や親子の深層心理が、面白い。そして、二十歳となり、自分の女性としての成長を自覚して、お手伝いの仕事はやめて、次作の「七瀬ふたたび」へ。
身近なSFとして、日常の中の斬新な設定でした。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 新潮文庫
感想投稿日 : 2022年6月29日
読了日 : 2022年6月29日
本棚登録日 : 2022年6月29日

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コメント 3件

まことさんのコメント
2022/06/29

おびのりさん。こんばんは♪

おびのりさんも、再読されたのですね。
私は初読みだったのですが。
高校の友人が好きだと言ってた作品なのですが、田舎の女子高生の私たちが、好んで読む作品では、ないですよね。
やっぱり、NHKの、少年ドラマシリーズの影響が大きかったと、友人も言っていました。

ところで、おびのりさんは、筒井康隆さんの、作品は、他も読んでらっしゃいますよね。
もし、よかったら、お薦めを教えていただきたいのですが、私が、調べてみた中では「旅のラゴス」とか、かなと思いましたが。
あんまり、猥雑でないものがいいのですが、教えていただけませんか。

おびのりさんのコメント
2022/06/29

まことさん、こんばんは。
まことさんのレビュー見て、早く読みたくなってしまって。。今、七瀬ふたたびを読み終わりました。
三部作は、まだ本を持っていたので再読です。
旅のラゴスは、良いかなと思います。
ストーリー性もあるので。
私が、好きな作品は、「富豪刑事」です。ドラマ化もされているので、ご存じかと思いますが、コメディです。近日中に再読します。初読の時、バカバカしさに笑いました。
心理学が詳しいなら「パプリカ」理解できると思うのですが、夢の混沌がちょと辛いので。
で、こちらは、多少の猥雑表現部があります。
今は、大御所感の筒井康隆氏ですが、チャレンジ的な作品が多かったですよね。

まことさんのコメント
2022/06/30

おびのりさん。

お返事ありがとうございます。
『富豪刑事』は初めて知りました。
ドラマ化も知らなかったです。
面白そうですね。
ありがとうございます。
冬になると雪が多くて、図書館に通えなくなるので、文庫を買って読もうと思います。
冬の楽しみができました。
心理学はわからないので『パプリカ』はちょっと無理かと思います。

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