高校生“由紀夫”くんは、なかなか好青年。勉強はきちんとするし、多少の護身用武闘もこなす、かといって堅物でもなく、父親達と麻雀も嗜む。
それらは、彼が隠したい個人情報、四人の父親の教育の賜物。ギャンブル系、博士系、スポーツ系に元ホスト。各父親が、自分の得意分野を息子への愛情と共に伝授しているのだ。
小洒落た会話に細々とした事件、混沌の家庭環境に友人関係。あたかもあっさり書いてしまているんだと思わせるところが伊坂さん。
この作品は、設定が素敵。四人の父親が、一人の妻を共有して一人息子を溺愛する。読むと楽しくなってくる。だからこそ、もう少し、深イイ話に持っていっても良かったんじゃないかなという老婆心。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
新潮文庫
- 感想投稿日 : 2022年12月23日
- 読了日 : 2022年12月23日
- 本棚登録日 : 2022年12月23日
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