青い鳥 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (2010年6月29日発売)
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本棚登録 : 8113
感想 : 636
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青い鳥を探す少年少女達を 一人の臨時国語教師が彼らに寄り添い、歪んだ心の形をそっと治そうとするオムニバス。8編・8人・8様の悩みと葛藤。
村内先生は、突然、必然に現れる。吃音の為多くを語らず、大切な事は何かを教えてくれる。

中学生くらいの人間関係は、本当に難しい。誰もが触れ方を間違えると、壊れてしまいそうな危ういバランスを保ちながら、教室に留まる。作者は、この息苦しさを描くのが本当に上手い。まるで、その教室に座っているかの様な、思春期の想い出をえぐられる様な気持ちになる。今、当事者である年代には、共感よりも辛い作品かもしれない。

幾つになっても青い鳥を探して、何処へ行っても隣の芝生は青い。隣の花は赤いし、隣の糠味噌はなんとか。

最後の「かっこうの卵」は、村内先生が「間に合って良かった。」教え子の未来像。自らの境遇を受け入れ、守るべきものを見つけ、自分の家を作った青年のお話。
aoi-soraさん、一敗です。
涙腺は辛い話よりも、最後のこんな幸福論に弱かったです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 新潮文庫
感想投稿日 : 2022年6月5日
読了日 : 2022年6月5日
本棚登録日 : 2022年6月5日

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コメント 4件

土瓶さんのコメント
2022/06/05

そうです。
この最終話はヤバいんです。
心の中で「よかったなぁ」「おまえ、よかったなぁ」を連呼しながら読んでいたのを思い出しました。
映画では阿部寛さんが主演でしたね。
あの顔で懐かしそうに笑われ、あの声でどもりながら語られるのもヤバいです。
 
おびのりさんの涙腺もほぐれてきましたね(笑)

おびのりさんのコメント
2022/06/05

お疲れ様です。薔薇の名前。

そうです。最終話でやられました。
涙腺緩んで良かったです。

薔薇の名前は、映画を見ました。重っっもいですよね。上の娘が、何かの授業の課題が、映画視聴で、付き合いました。
よくぞ、お読みになりました。

aoi-soraさんのコメント
2022/06/05

おびさん、土瓶さん、こんばんは。
やっぱり“青い鳥”は泣けるんですね。
おびさんの涙腺は、北風と太陽で言うと太陽の方でしょうか?

私の次回涙活は“ライオンのおやつ”か“青い鳥”にしようかと考えてます。

阿部寛さん、ズルいですよね。
大好きな俳優さんの一人です^_^

おびのりさんのコメント
2022/06/06

aoi-sora さん

おはようございます。
さすが、上手いことおっしゃいます。
はい、そうでした。お日様に弱そうです。
振り返ると、お日様系読んでいないかもしれません。ありがとうございました。
次は、椿山課長読んでます。

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