怪我で休職中の刑事の元へ、親戚の青年から(銀行員で態度悪し)婚約者失踪の相談が寄せられる。現役刑事が、その足取りを追うも、行方は掴めない。刑事は周囲の協力も得て、コツコツと彼女の残した痕跡をたどる。そして、戸籍をも操作したなりすましの事実を突き止める。
平成初期の作品で、事件の発端となる主なテーマが、消費者金融であり、カード破産、ローン破産になっています。現在では、法定金利の引き下げや消費者金融への法整備等進み、社会問題としては少し古めかなあとは思いますが、昨今では投資型不動産の信用供与問題など根本的に同じ問題は続いていくのかもしれません。
推理小説として充分読ませます。加えて、刑事の周辺の登場人物が、一人づつ人物像を丁重に書かれていて、彼の日常を豊かに描きます。
最後に、失踪者である彼女が遂に姿を現し、そこで刑事と読み手の長い追跡の終焉となります。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
新潮文庫
- 感想投稿日 : 2022年7月6日
- 読了日 : 2022年7月6日
- 本棚登録日 : 2022年7月6日
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