一九八四年〔新訳版〕 (ハヤカワepi文庫)

制作 : トマス・ピンチョン 
  • 早川書房 (2009年7月18日発売)
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本棚登録 : 15742
感想 : 1221
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ボディブローのように効いてくる読後感。歴とした小説。
1949年刊行された全体主義的近未来を描いたディストピア小説。
ビッグブラザー率いる一党政府による行動監視・言語統制・歴史改竄等あらゆる人民統制が丁重に描かれる。中盤に書かれる「寡頭制集産主義の理論と実践」のテキストは小説というより思想哲学のようだ。クライマックスは、国家への背信を企てた主人公が肉体的精神的拷問により、二重思考を受け入れて国家に組み込まれていくさまだ。
とは言っても、一読では、読み切れていない。ちょっと寝かせて再読です。

何故、1984年なのか?幾つか説はある様ですが、執筆終了が1948年で下二桁逆にした説に一票。
今、読んでも、100年後でも近未来小説たる名作。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説 
感想投稿日 : 2021年12月7日
読了日 : 2021年12月7日
本棚登録日 : 2021年12月7日

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コメント 2件

ますく555さんのコメント
2023/05/02

主人公の叩き潰され方がほんとうに容赦ないし、一縷の希望すら見当たらないしで、読んでて辛かったの覚えています笑 書く側も胃が痛くなってそうですけども。

おびのりさんのコメント
2023/05/03

こんばんは。私は、小説の中で、言葉が削られていく過程がすごく怖いなと思いました。
村上春樹氏が、この作品を意識して1Q84を書いたと聞いて、両方読みましたが、さっぱり意識したところは、わかりませんでした。( ; ; )

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