空中ブランコ (文春文庫 お 38-2)

著者 :
  • 文藝春秋 (2008年1月10日発売)
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感想 : 1684
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精神科医伊良部一郎シリーズ第二作。

またも精神を病んだ人達が彼の元に通院する。
伊良部先生は腕をあげて、行動範囲が広がったみたい。

「空中ブランコ」
サーカス組織が変革期のベテランブランコ乗り。
突然演技ミスが増えてくる。伊良部先生までサーカス参加で、自分自身の問題に気づいて治癒に向かう。
「ハリネズミ」
尖端恐怖症のやくざさん。仕事上困る事が多すぎて通院。同業者のブランケット症候群(短刀で)を知り、理解し合い治癒へ向かう。
「義父のズラ」
医学部長の娘と結婚した一般家庭の医師。強迫神経症に苦しむ。義父のカツラを伊良部先生と剥ぎ取って、ありのままの自分で生活する事で治癒に向かう。
「ホットコーナー」
プロ10年目の野球選手。イケメンルーキーの登場でイップスに。後輩の素顔を知って治癒に向かう。
「女流作家」
心因性嘔吐症の女流作家。自信作の不発から発症。
自分の書きたいものを書く事で治癒に向かう。

先生のユニークな行動は、派手になり、人間関係の描写は濃くなって、面白く読みました。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 直木賞
感想投稿日 : 2023年8月28日
読了日 : 2023年8月28日
本棚登録日 : 2023年8月28日

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コメント 2件

土瓶さんのコメント
2023/08/29

いいキャラですよね。
けっして真っ当な治療法とは言い難いですが、患者たちは巻き込まれていくうちに自分で気づいていく。
他人に上から偉そうに言われたことより、自分で気づいたことこそが響くのでしょう。
それを意図して行ってるとはとても思えませんが。
変態も使いよう(笑)
そういや注射好きの看護師なんかもいたっけ。

おびのりさんのコメント
2023/08/29

期待以上に面白かったですよ。
娯楽作品で終わってないところが良いです。

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