少年期の純粋さと哀しみと残虐性が子供達を寡黙にさせるているかのようで、暗然とした小説でした。
父を病気で亡くし、海の事故で片足を失った祖父と母親と暮らす少年。貧しく父親からの暴力を隠し通す友人。少年の祖父との事故で母親を亡くした少女。三人は、いつしか親しくなり、ヤドカリを神様に見立てた秘密の儀式に、願いを込めるようになる。
それぞれの子供達から見た大人達が描かれる。大人達への寂しさからの不満が彼らの気持ちを支配していく。気持ちを表現できないのではなく、耐えている姿が痛々しい。抑えきれなくなった気持ちをぎりぎりのところで親達が受け取る。大人になるには、まだ早すぎたんですね。
直木賞受賞作として読み始めたら、鎌倉の建長寺が登場してきて、そうだ、建長寺へ行こうと思い立ち半僧坊まで登ってきました。なかなかハードなのでお子様は気をつけましょう。鎌倉の街や相模湾まで見れます。お天気が良かったので富士山も見えました。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
直木賞
- 感想投稿日 : 2022年11月10日
- 読了日 : 2022年11月10日
- 本棚登録日 : 2022年11月10日
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コメント 2件
なおなおさんのコメント
2022/11/10
おびのりさんのコメント
2022/11/10