愚者のエンドロール (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA (2002年7月31日発売)
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夏休みも終盤に差し掛かり、神山高校は文化祭に向けての準備中。
文集『氷菓』を出品するために集まった古典部の四人、奉太郎、里志、伊原、千反田は、二年F組の制作した映画の試写会に誘われる。
山奥の廃墟にある劇場で、密室殺人事件が起きるという未完のミステリー映画の結末は?犯人は?その方法は?

ビデオ映画の中の出来事なのに、ほんとうに殺人事件が起こったかのような緊迫した雰囲気で、ほんとに高校生?と思うような個性的な先輩ばかり出てくる。
「女帝」という渾名の入須先輩に翻弄され、知らず知らずに他人事に巻き込まれた感はあるけれど、奉太郎の「力」で映画は無事完成。

奉太郎の謎解きもさることながら、里志の巾着袋から出てくる小道具や、タロットやシャーロックホームズの短編集の知識が散りばめられていて楽しかった。
ウイスキーボンボンで酔っぱらったり、人の亡くなる話はきらいだという千反田のキャラクターは、ほっとさせてくれる。

里志と伊原、千反田と奉太郎の関係も気になるので、この後も続けて読んでいきたいと思う。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 米澤穂信
感想投稿日 : 2023年3月11日
読了日 : 2023年3月11日
本棚登録日 : 2023年3月11日

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