ついに栞子さんに告白してしまった大輔だが、返事を聞かせてもらえないまま2ヶ月近く経っている。何か理由がありそうです。
本についての雑誌「彷書月刊」をまとめて売りに来る、落ち着いた感じの白髪の女性。この謎めいたお客さんは、この物語に登場している、意外な人物とつながりがありました。
ここにやって来るお客さんの誰もが人に言えない事情を持っていて、人間関係が入り組んでいて、読み進めるたびにどんどん面白くなってきます。
栞子さんの同級生で、「滝野ブックス」の滝野蓮杖の妹リュウがビブリア古書堂にやってきます。
探してほしいと依頼された本は、手塚治虫の『ブラックジャック』。
昭和50年代に発売された少年チャンピオンコミックスは、私にとってまだまだ記憶に新しく、そんなに昔には思えないのに、30年ほど前のものが古書として取り上げられているということに、驚きと焦りのようなものを感じます。
知らないうちに、時間は容赦なく過ぎ去っていくのですね。
自分が一生のうちに読める本なんて、ほんの一握りかもしれない。
母智恵子と再会を果たした栞子さん。
たとえ10年前に家族を残して、家を出ていったとしても、母であることには変わりがないはず。
どんなことがあろうと、栞子さんと大輔くんには幸せになってほしいです。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
三上延
- 感想投稿日 : 2022年5月22日
- 読了日 : 2022年5月22日
- 本棚登録日 : 2022年5月22日
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