ビブリア古書堂の事件手帖7 ~栞子さんと果てない舞台~ (メディアワークス文庫)

著者 :
  • KADOKAWA (2017年2月25日発売)
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感想 : 581
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物語はいよいよクライマックスへと向かいます。
今回は、世界で最も有名な劇作家シェイクスピアの稀覯本に関する謎解きです。
有名とは言っても、海外の古典で、戯曲など読んだこともなく、題名は聞いたことがあっても、どの作品が喜劇か悲劇かも知らないという読者にも分かりやすい説明がされていて、安心して読むことができました。
シェイクスピアの没年は、徳川家康と同じだそうです。
およそ四百年前の作品には、数々の名台詞が残されていて、言葉の偉大さに驚かされます。

母智恵子が家族をおいて家を出た理由や、出生の秘密が明かされていて、それらがシェイクスピアと絡んで、とても読みごたえのある一冊でした。
栞子さんとの母娘対決は、臨場感あふれていて、青白赤の三冊のシェイクスピアの稀覯本の謎に思わず釘付けになってしまいました。

最後は何とも微笑ましい終わり方で、本の話をする栞子さんと、それを傍らで一生懸命聞く大輔の姿をいつまでも見ていたくなります。

『ビブリア』はこの先もまだまだ続いているようですが、十周年たった今、第一巻から七巻までを一気読みできて良かったです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 三上延
感想投稿日 : 2022年6月5日
読了日 : 2022年6月5日
本棚登録日 : 2022年6月5日

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