黄昏の百合の骨 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社 (2007年4月13日発売)
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感想 : 523
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「魔女の家」と呼ばれる謎めいた洋館、白百合荘。
そこに住むのは、理瀬と血の繋がりのない義理のおばさん、梨南子と梨耶子。
一年前に祖母が転落死し、奇妙な遺言に導かれてこの家にやって来た高校生の理瀬。
理瀬の従兄弟の稔と亘。
毒殺や失踪などの不吉な事件が起こり、近隣に住む理瀬の友人朋子や、弟の慎二、朋子の幼馴染の雅雪にも目が離せない。

悪は全ての源なのだ――善などしょせん悪の上澄みの一部に過ぎない
という言葉が心に突き刺さる。
この物語の中では、誰もが演技をし、誰もが噓をついているようで、まるでお芝居をみているかのようだった。
これぞミステリーの醍醐味。面白くて、あっという間に読み終えてしまった。

人間の魅力というのは、一筋縄ではいかないものだ。
ということは、悪もその人の魅力のひとつになるということなのだろうか。

ミステリアスで魅力的な人物が登場する理瀬シリーズ、まだまだ読んでいきたい気がします。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 恩田陸
感想投稿日 : 2022年1月30日
読了日 : 2022年1月30日
本棚登録日 : 2022年1月30日

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