日の名残り (ハヤカワepi文庫 イ 1-1)

  • 早川書房 (2001年5月31日発売)
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本棚登録 : 9369
感想 : 990
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イギリスの品格ある旧家で長い間執事を務めたスティーブンスは、西部地方へ六日間の短い旅に出ることになる。
長年仕えていたダーリントン卿への思い、女中頭であったミス・ケントンへの淡い恋心など、すべてがスティーブンスの旅の間に思い起こされた、長い独白という形で綴られていた。
偉大な執事とは何か。品格とは。
堅苦しい話が延々と続くのかと思いきや、ユーモアで心和む場面もあり、スティーブンスの生真面目過ぎる人柄にもかかわらず、親しみが湧いてくる。
物語が終わりに近づくにつれ、ページをめくる手が止まらなくなった。
後戻りはできない、ただ一度きりの人生。見事なラストシーン。
哀しくも美しい、余韻の残る素晴らしい作品だった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 海外の文学
感想投稿日 : 2020年12月29日
読了日 : 2020年12月29日
本棚登録日 : 2020年12月29日

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