- Amazon.co.jp ・電子書籍 (407ページ)
感想・レビュー・書評
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近代化とは何だったのか、重層的に掘り下げて想像力豊かに織り上げた物語
アジールとしての上野という土地の重要性が印象的
きわこさんの半生の描き方も工夫があって魅力的だけれども、なんといっても白眉は図書館の視点で語られる時代の変遷。文人たちの図書館での姿や、上野動物園の戦争体験など、多様な語り手のまなざしを借りて時代の流れを描いていく手法が上手いと思った -
上野の図書館のことを書いてみない。そんな言葉から始まった喜和子さんとの交流。そして彼女が辿ってきた過去が、ちょっと不思議で悲しい図書館の歴史物語と共に語られてゆく。あらためて思う。こうして自由に読書ができることは本当に幸せなことなんだと。
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【紙の本】金城学院大学図書館の検索はこちら↓
https://opc.kinjo-u.ac.jp/ -
貴和子さんの図書館を愛する気持ちと生い立ちが切なくて…。貴和子さんの過去は帝国図書館のなかにあんだろうなぁ、と自分を納得させた。
文豪が愛した帝国図書館、それらの話も面白くて興味深かった。 -
ライターをしながら小説家をめざさしている「わたし」。ある日、上野公園でちょっと風変わりな女性「喜和子さん」に出会います。出来たばかりの国際子ども図書館の話題から、2人は次第に交流を深めていきます。やがて語られる「喜和子」さんの生い立ち…。日本で初めての国立図書館の物語成と並行するように、「喜和子さん」の幼少期のある記憶をめぐる“謎解き”が進んでいきます。ラストは感動、感動の涙です。図書館好きな方にはぜひ。
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あまり先が気になる感じでもなくて、合間に挟まれる図書館の歴史は興味深いと思いつつ、ページが遅々として進まなくて途中で断念、、
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主人公と偶然出会った女性、喜和子さんの戦後の物語の間に、帝国図書館の誕生からのエピソードが挟まれていきます。喜和子さんの生い立ちは結局正確なところはわからないままで、こうだったのかな…と思いを巡らす形で登場人物たちと読者が一体になった感じがありました。帝国図書館を愛した人たちには名だたる文豪も多くいて、それらの話やお金がない…という苦労など、図書館の物語もまたおもしろく、2つの話が互いに影響しあってより上質な物語が紡がれていました。
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今では自由に無料で図書館を利用して充実した日々を送れているが昔は本当に本が好きな人が利用して、そして書く道を究めていたんだな。しかも女の人の過酷な人生が絡んでいて、あっという間に読み終えた。ちょっと井戸端会議のような、でもそれが真実なのかもしれないけれど、そこの興味ない部分はサラッと読み進めたが。