雄気堂々 (下) (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (1976年5月30日発売)
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感想 : 92
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渋沢がいよいよ政府へ役人として勤めるところから始まる。政府内での対立もあり、結局民間へとうつるが活躍ぶりは変わらない。一方でその一因となった江藤は佐賀の乱をおこし処刑され、政府を去った西郷も西南の役で自害する。いかに優秀であっても判断の誤りや行動の一つ一つによって運命が決まっていくさまをみた気がした。渋沢は人情の人であり、それも影響したと思う。
上下巻を通して渋沢の行動力もだが交渉力、仲裁力は素晴らしいなと思った。特に生糸貿易における外国商館との戦いでは、連合生糸預所構想を推し進めながらそれをやめるのを条件に不平等な条件を改正するという名を捨て実をとることに成功する。ここに本質を捉えて、行動できる渋沢の素晴らしさを一番感じた。手本にしたい。
普段の仕事で自分もこれができたらと思うが、捨てるほどの名もないのに中々難しい。4.0

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2021年8月3日
読了日 : 2021年8月3日
本棚登録日 : 2021年8月3日

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