陽だまりの樹〔小学館文庫〕 (8) (小学館文庫 てA 18)

著者 :
  • 小学館 (1995年6月17日発売)
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本棚登録 : 177
感想 : 11
5

婚礼直後、綾が万二郎に離縁状渡されたときに初めて声を出した場面。
良仙が万二郎に線香あげにきた西郷に畳み掛ける場面。
この二箇所で号泣。

良仙は最後に素晴らしいことを言ったなぁ。「歴史にも書かれねえで死んでったりっぱな人間がゴマンと居るんだ……そんな人間を土台にした歴史に残る奴など許せねえ。二度とここへ来るなーッ」って。そりゃあ西郷も怯みますよ…。

素晴らしい漫画でした。時代の流れというものの恐ろしさを感じた。万二郎はものすごく真面目だったし、真っ直ぐだった。少しだけ不器用だっただけで、その不器用さだって責められるほどのものとは思えない。しかしただそれだけの要領の悪さが命取りになるんですね。万二郎のような人間が報われないなんて、日本は間違っている…わたしも良仙と同じく、そう思いました。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ:  ∟その他
感想投稿日 : 2009年7月10日
読了日 : 2009年7月10日
本棚登録日 : 2009年7月10日

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