村上海賊の娘 下

著者 :
  • 新潮社 (2013年10月22日発売)
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本棚登録 : 5271
感想 : 733
5

ああ、和田竜さんはこれが書きたかったんだ!
…ということがものすごく伝わってくる、手に汗握る木津川合戦でした。
難波の海を舞台に繰り広げられる村上海賊vs眞鍋海賊の戦いは、約500ページある下巻の半分以上を占めています。
途中で読み止められず、最後まで一気読みでした。

人が挫折を経て一回り大きくなる姿や、「自分はこう生きたい」という想いが憧れから現実になる瞬間が、死と隣り合わせの戦場でひときわきらきらと輝いて見えました。

和田さんの時代小説は、たくさんの文献を下敷きに練られたストーリーが個性の強い登場人物たちを支えており、時代小説初心者にもとっつきやすいのが魅力だと思います。
ハラハラしっぱなしの戦の場面の途中で、文献からの引用を冷静に差しはさむタイミングなど、緩急のつけ方が個人的には好みです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 読みました。
感想投稿日 : 2014年2月3日
読了日 : 2014年2月2日
本棚登録日 : 2014年2月3日

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