ああ、和田竜さんはこれが書きたかったんだ!
…ということがものすごく伝わってくる、手に汗握る木津川合戦でした。
難波の海を舞台に繰り広げられる村上海賊vs眞鍋海賊の戦いは、約500ページある下巻の半分以上を占めています。
途中で読み止められず、最後まで一気読みでした。
人が挫折を経て一回り大きくなる姿や、「自分はこう生きたい」という想いが憧れから現実になる瞬間が、死と隣り合わせの戦場でひときわきらきらと輝いて見えました。
和田さんの時代小説は、たくさんの文献を下敷きに練られたストーリーが個性の強い登場人物たちを支えており、時代小説初心者にもとっつきやすいのが魅力だと思います。
ハラハラしっぱなしの戦の場面の途中で、文献からの引用を冷静に差しはさむタイミングなど、緩急のつけ方が個人的には好みです。
読書状況:読み終わった
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読みました。
- 感想投稿日 : 2014年2月3日
- 読了日 : 2014年2月2日
- 本棚登録日 : 2014年2月3日
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