昨夜のカレー、明日のパン

著者 :
  • 河出書房新社 (2013年4月19日発売)
3.89
  • (595)
  • (997)
  • (659)
  • (81)
  • (13)
本棚登録 : 6117
感想 : 922
3

失った者の記憶を抱え生きる人々の、日常生活を描いた連作短編です。

若くして夫を亡くしたテツコと、夫の父で妻に先立たれたギフ。
ひとつ屋根の下に暮らす2人の日常は、微妙なバランスの上に成り立っているようです。
どこかで「このままではいけない」と思いつつも、今の暮らしを壊すこともできない。
それでも日常はまわり、ゆるゆると変わっていくものがある…
私たちの日常は小さな変化の連続であることを意識させられる物語でした。

木皿泉というのが、脚本家夫婦のペンネームであることは初めて知りました。
夫婦で、嫁と義父の物語を作る…というのは、どんな感じだったのでしょう。
創作現場を覗いてみたい気持ちになりました。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 読みました。
感想投稿日 : 2014年6月3日
読了日 : 2014年5月26日
本棚登録日 : 2014年6月3日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする