空飛ぶ馬 (創元推理文庫―現代日本推理小説叢書) (創元推理文庫 M き 3-1)

著者 :
  • 東京創元社 (1994年3月27日発売)
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感想 : 587

漫画版を読んだのを機に原作再読。漫画版と原作の違いを読み比べるのも楽しく。それ以外では「砂糖合戦」での、マクベスへの見方がおもしろく。マクベスの立場にたち、一番気に入らないのは三人の魔女、次にマクベスを倒す連中。そそのかすだけそそのかして途中退場のマクベス夫人は許せない。マクベスはバンクオウを養子にしちゃえばいい、あるいはマクベスがバンクオウの養子になればいい、と。また「胡桃の中の鳥」の引用合戦も。「世の中の人は、男のペダンティズムは許容してくれる。老人の醜さを許容するように。でも女にはそのどっちも許さない」(アルベール・ティボーテ)/「どうです、人間というのも捨てたものじゃないでしょう」(円紫)/小説が書かれ読まれるのは、人生がただ一度であることへの抗議からだと思います。(北村薫)

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2021年5月8日
読了日 : 2021年5月5日
本棚登録日 : 2021年5月5日

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