国盗り物語(四) (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (1971年12月22日発売)
4.04
  • (339)
  • (352)
  • (282)
  • (8)
  • (1)
本棚登録 : 2844
感想 : 199

神仏をも畏れぬ激情型の【信長】と、堅実内向型の【光秀】が「本能寺」で激突するまでを、取巻きの人々を交錯させて綴られた最終巻である。行く手を遮るもの全てを排除してきた信長にとっては、臣下の反逆を憂える余地がないほどに天下統一への自信に満ちていたのだろう、脇が甘すぎて自害に追いやられた。信長の度重なる暴虐ぶりに憤慨し、屈辱的な仕打ちに打ちのめされていた光秀は、信長への怨念を晴らすべく衝動的すぎる挙兵が仇となり、11日天下に終わる。戦国史を鳥瞰しながら、この時代に生きた人々の心意気を窺える歴史大作であった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 日本文学
感想投稿日 : 2021年12月22日
読了日 : 2019年7月30日
本棚登録日 : 2019年7月30日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする