これはひどい。(誉め言葉)
一言で言えば、「メタメタメタメタメタメタァアアア」って感じ。
なんだっけなー、最近メタい小説読んだ気がしたんだけど思い出せない。帯の文句が「メフィスト賞史上最大の問題作」なんだけど、舞城がいるしなって思ってます。あれを超すもんはねぇわ。
推理することを封じられた探偵が、助手にそそのかされて、いろんなミステリに挑戦させられていく話。で、メタ。最初から、最後までメタ。
正直言いますと、確かにロジックに偏りすぎて、そればっかりになると説明多くて読み飛ばしちゃうんですが、それでもロジック大好き人間からすれば、ロジックいらないって主張し続ける助手の子にはいらっとしました。探偵の子も作中で叫んでたけど、探偵のアイデンティティ、全否定。何にしろこの助手、探偵のことが大好きみたいなんだけど、それでもあそこまでディスられたら、さすがに修復不可能なくらい仲たがいしそう。
最終的にはロジックに帰ってきて、最初の事件から全部論理を当てはめていって、最後にメタで締めてるんだけど、その締め方もロジカルではあるんだけどさ。
面白い面白くないで言えば、まあ面白かったんだけど、このノリのままなら二作目に手が伸びるかどうかは微妙。
助手が、小難しくて退屈な推理は要らない、って探偵を罵倒するんだけど、そこを面白くするのは探偵の腕じゃなくて作者の腕だろうが、と思うんですわ。そんで、メタで突き抜けるなら、助手か探偵どっちでもいいから、そこを罵倒してほしかった。
抜粋。
「今は探偵と助手が話してるんだよ! そういうときは黙って聞くんだって、推理小説から学ばなかったのか? 探偵と助手のフェイズに横槍入れるなんて、ミステリでは御法度なんだよ!」
まあこういうセリフが随所に出てくる話です。
- 感想投稿日 : 2017年11月23日
- 読了日 : 2017年11月23日
- 本棚登録日 : 2017年11月23日
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