7人の名探偵 新本格30周年記念アンソロジー (講談社ノベルス)

  • 講談社 (2017年9月7日発売)
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感想 : 99

 新本格好きを殺す気か。

 萌え殺す気か……。
 もはや表紙からして殺す気満々だもん……。このメンバが一冊に集まってるんだよ?? 嬉しすぎて吐き気がするレベルだわ。
 掲載順は、デビューの遅い順なので、最初が麻耶くん。もう美袋くんが出てきた時点で狂喜乱舞だよね。でも逆に「名探偵縛り」ってことは綾辻どうすんのよ、とも思ったよね(笑 ほかのメンバはどうとでもなる、どうとでもしてくれそうだけど、綾辻、短編で名探偵ものって無理じゃね? って思ってたら、本人もそう書いてた。
 麻耶くんはまあ、メルが出てきていつも通りのオチだったし、法月さんと有栖川もそれぞれ、綸太郎と火村の短編。相変わらず「推理小説」としてはしっかりしてるけど、印象に残らないよな、法月さんの話は。アリスのほうは安定して読めて面白かった。免停くらってる火村に笑ったけど。
 山口さんは落語だけど、オチが奇偶っぽい。我孫子さんがちょっと変化球かなって思ったけど、よく考えたらこの中では我孫子さんの話を一番読めてないからなぁ。でも面白かった。歌野? いつも通りだよ。
 正直綾辻の話は賛否別れそうな気がする。――ような気がする。
 けどまあ、たぶんこの本を手にてるような人は新本格好きの綾辻好きだろうから許せるというか、喜べると思うんだな。話のなかで嘘つきよばわりされてる麻耶くんがかわいそう。
 個人のレビューだから好き勝手、敬称略で書いてるけど、作家の名前って「商品名」なイメージがあるんだよなぁ。だからよく手に取るものはちょっと乱暴なものいいになってしまう。綾辻や有栖川、歌野ってなってるのはよく読むからなんだろう。ただ麻耶くんだけは「麻耶くん」って書いちゃうの、綾辻のエッセイの影響だと思います。
 そんで最後のオチな。いや、名前が出てこないな、そりゃ大学時代だし、同年代とはいえ学校が違ったからしょうがないかと思ってたら、まさかのオチ要員。卑怯すぎる。まあ飽くまでも「小説」ではあるんだけど、「お前かよ!」ってツッコミをいれました。
 そういえば、挟まってたしおりは有栖川でした。たぶんそれぞれデビュー作から引用して、七種類あるんだろうな。ほかのも見てみたい。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ミステリ・ホラー
感想投稿日 : 2017年9月11日
読了日 : 2017年9月11日
本棚登録日 : 2017年9月11日

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