ラヴクラフト全集〈6〉 (創元推理文庫) (創元推理文庫 523-6)

  • 東京創元社 (1989年11月24日発売)
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感想 : 22

 薔薇の眠りを越え、いざ窮極の門へと至らん。

 やっと銀の鍵の元ネタまで来ました。ランドルフ・カーターが登場する話をまとめてある一冊。FGOのアビーちゃんは、ランドルフの持ってた銀の鍵がひとの形をとったもの、って認識でいいんすかね。
 「白い帆船」「ウルタールの猫」「蕃審」「セレファイス」「ランドルフ・カーターの陳述」「名状しがたいもの」「銀の鍵」「銀の鍵の門を越えて」「未知なるカダスを夢に求めて」の九作。銀の門の鍵が中編、カダスが長編で、あとは短いです。ぽつぽつ世界が繋がってる感じ。
 ラヴクラフトが猫好きってのはどこかの解説に書いてあったけど、ほんとに好きなんだね。猫最強じゃん。思わず膝の上にいる黒猫なでなでしながら読んじゃうじゃん。
 カダスがなんかほかのと違った感じで、きちんと冒険してるなぁ、と。まあ夢の国の話だけど。クラネス王が目覚めることができなかったのは、戻る身体がもうなかったからだけど、ランドルフには残ってたってことか。食屍鬼さんとか夜鬼さんたちがどうなったのか気になります。見た目があれなだけで、あの子らが死んじゃうのはかわいそうだなぁ。あと、最後、ニャルさま何しに現れたのか、いまいちよくわかんなかったです。ニャルさまが言ってたことは事実なの? 地球の神々を連れ戻してもニャルさまとしては問題なかったのかな。カーターを罠にかけようと道を教えて、教えた先に困難を用意したけど、カーターがそれを乗り越えてしまったから、ラスト神々に八つ当たりしたってことですかね。それとも普通にカダスを留守にしてた神様たちを怒ったの?
 抜粋。「未知なるカダスを夢に求めて」より。


「ヘイ、アア=シャンタ、ナイグ。旅立つがよい。地球の神々を未知なるカダスの住処におくりかえし、二度とふたたび千なる異形のわれに出会わぬことを宇宙に祈るがよい。さらばだ、ランドルフ・カーター。このことは忘れるでないぞ。われこそは這い寄る混沌、ナイアルラトホテップなれば」


 「ヘイ、アア=シャンタ、ナイグ」の意味が分からない。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 古典/海外
感想投稿日 : 2019年5月8日
読了日 : 2019年5月8日
本棚登録日 : 2019年5月8日

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