決定版 部下を育てるコーチング (朝日文庫)

著者 :
  • 朝日新聞出版 (2010年11月5日発売)
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多くの方が感じているように、部下と上司はお互い理解し合うのが
難しい存在。上司が「なんで理解できないんだ」といったところで、
仕事には何のプラスももたらしません。

上司にできるのは、部下をやる気にさせるプロセスを淡々と進める
ことだけ。

昔、メンターに言われたことと同じですが、要は「やる気をそがな
い」ことが大切なのです。

本書には、部下のやる気に関する正しい知識と、やる気が芽生える
場づくり、部下を育てるコーチング・シナリオなど、さまざまなノ
ウハウが載っています。

上司がやってしまいがちなミスについてもコメントしているので、
自分のマネジメントを顧みるためにも、有用な一冊だと思います。


人は不思議なもので、同じことでも人に言われてやるのは嫌です。
逆に言えば、自発的な思いで向かう仕事は楽しく、何とか成果を上
げたいと思うものです

やる気のない部下の数だけ損失が生まれる

レジ店員のちょっとしたやる気が、クッキーとマフィンの売上につ
ながった

社会における人事情が変化し、働く動機も様々になってくると、か
つてのような「頑張れば給料が上がる」とか「業績しだいで偉くも
なれる」といった動機づけは、大して役に立たなくなってきています

上司の仕事は挑戦できる環境づくり

満足にかかわるのは、「達成すること」「承認されること」「仕事
そのもの」「責任」「昇進」などです

なぜ成果主義は上手くいかないのでしょうか。いくつもある理由の
ひとつは、お金そのものは、直接私たちを動機づけないことにあり
ます。給料は「衛生要因」だからです

そのとき、表彰された別の人のことも覚えています。彼はその年、
やったことのない難しい案件に果敢にチャレンジしました。そして、
見事に失敗したのです。彼は傷つきました。そんな彼を、上司は人
前で承認したのです

管理するだけでは自立した人は育たない

場に必要な第一要素は「安心できる環境」です

安心を構築すれば、部下のやる気を高めるに充分かというと、そう
ではありません。もうひとつ重要な要素があります。それは信頼し
て多くを求めることです

否定的なフィードバックも成長には欠かせない

お祝いは、プラスのフィードバックのやり方のひとつです。ほんの
五分間の行事です。公式にみんなの前で認めることで、やる気はぐ
っと上がります

「なぜ、うちの会社はやる気が高まらないのだろう?」少しでもそ
う思うことがあるなら、会社にチームとして働く機能を導入するこ
とを考えるべきです

コーチングが機能するのは、そして人が育ちやすいのは、相手をで
きる人と捉えて、責任を与え、そのように扱うときです

◆目次◆

第1章 部下の「やる気」について考える
第2章 部下のやる気が芽生える「場づくり」
第3章 日常で部下が育つコーチング・シナリオ
第4章 「やる気」を高めるコーチング・スキルのポイント
第5章 チームの士気を高めるファシリテーション・スキル
第6章 自分を動機づけるセルフ・コーチング

読書状況:未設定 公開設定:公開
カテゴリ: 仕事 企画
感想投稿日 : 2010年11月14日
本棚登録日 : 2010年11月14日

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