つめたいよるに (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (1996年5月29日発売)
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感想 : 1166
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人を恋するということはえらいことですわなぁ。
江國さんの描く様々な恋と、ちょっぴり摩訶不思議な仕掛けのある21編の短編集。
好きなタイプの話が多く、優しい、懐かしい、切ない等様々な気持ちが次々に生まれる。
『桃子』『草之丞の話』『鬼ばばあ』『晴れた空の下で』『ねぎを刻む』が印象的。

一番心に残ったのは『デューク』。
「それだけ言いにきたんだ」
あの時あなたは優しくそう言った。
けれど私にとっては「それだけ」なんかじゃない。
あなたが私にくれたものは一言では言い尽くせない程の深い愛情。
ほんの数頁の短編なのに物語の余韻がずっと頭から離れない。
以前大学センター試験に出題され、涙をこらえられなかった受験生が続出したという『デューク』。
こんな心を揺さぶる作品を出題するなんて、出題者なかなかやるじゃん。
受験生と試験官泣かせの作品。
読めて良かった。
この先何度でも読み返していきたい一冊。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 江國香織
感想投稿日 : 2018年10月23日
読了日 : 2018年10月23日
本棚登録日 : 2018年10月21日

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