アクロイド殺し (ハヤカワ文庫 クリスティー文庫 3)

  • 早川書房 (2003年12月15日発売)
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本棚登録 : 7794
感想 : 711
5

本名エルキュール・ポアロ。イギリスの私立探偵。元ベルギー警察の捜査員。卵形の顔とぴんとたった口髭が特徴の小柄なベルギー人で、「灰色の脳細胞
」を駆使し、難事件に挑む。

読んだことは無くても名前だけは昔から知っている超有名な、名探偵ポアロ。
いきなりシリーズ第3弾からの読み始め。
さすが有名探偵だけあって、以前から知ってる探偵のようにすらすら物語に入れた。

「エルキュール・ポアロに隠し事をするのは、たやすいことではありません。探りだすコツを身につけてますからね」
「探偵は誰とも知り合いではないし、誰にも特別な感情を抱いていないーー彼にとっては、全員が見知らぬ人間であり、ひとしく疑わしいのです」

一見、飄々としていて掴みどころがない。一旦話し出すと紳士的で人当たりも良く、誰にでも親しみやすい印象を持たせるポアロ。
けれど一方で抜け目なく周囲を観察していて、突拍子もなく思える行動一つ一つにちゃんとした意味がある。
ポアロの言動に読んでいるこちらも翻弄され、次から次へと謎が謎を呼び、物語に惹き込まれほぼ一気読み。

村の名士アクロイドを殺害した犯人は誰なのか?
ポアロと村の医師シェパードが事件の真相に迫る物語。
関係者全員に疑いをかけながら、ラストに向けて真相へ導く流れが見事だった。

大河ドラマ『鎌倉殿の13人』の最終話について、脚本家の三谷幸喜氏がアガサ・クリスティーの作品を参考にした、とありクリスティーファンが予想をたてた一作品が今作だった、ということで読了。
しかし…これがあのドラマに結びつくだろうか。。
ちょっと前に読了した『そして誰もいなくなった』の方が近いのかな〜。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: アガサ・クリスティー
感想投稿日 : 2022年10月29日
読了日 : 2022年10月29日
本棚登録日 : 2022年10月28日

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