ロシアの異教派とサド・マゾヒズム、性に基づいて大掛かりな推論を挑んでいるこの本。 最初はそれは無理だろと思って、いぶかしんでいたが、 読み勧めるうちにそのスケールの大きさにわくわくしだしました。 『罪と罰』のロジオンことラスコーリニコフは「復活」を果たしたのか。 『白痴』のナスターシャは処女であった?! 『悪霊』の検閲のために削除された部分には何が書かれていたのか? 『未成年』のアルカージーのオディプス・コンプレックス。 『カラマーゾフの兄弟』の重層なる「父殺し」とは? 『第二の小説』書き残されなかったカラ兄を予想する! これらのことを亀山氏が鋭く空想します。 結論を性で纏めている気があるのはちょっと残念だけど、なかなかに楽しめます。 これからドストエフスキーを読む人のための入門書ではなく、 すでに作品を読まれた方がさらに二度目、三度目を味わう前に読む本としてお勧めします。 あらすじはあるけど、それだけじゃちょっと分かりにくいですし。。。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
新書
- 感想投稿日 : 2009年5月22日
- 読了日 : 2009年5月22日
- 本棚登録日 : 2009年5月22日
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